Kohei's brain

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【VGC2021 Series7】 エンテイロンゲ A to Z No.1

 

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 1.はじめに

 ブログでは,約半年ぶりの更新となります。

 VGC2021ルールにおいて,半年間以上使い続けていた「エンテイ+オーロンゲ」構築を構築の変遷をたどりながら,自分の解釈を余すことなく紹介していきます。

 また,この構築記事は,全3部構成となっており,

 

  •  No.1・・・Series7(主な成績:シーズン12レート2008)
  •  No.2・・・Series8(主な成績:PJCS2021予選5位,レート1802)
  •  No.3・・・Series9(主な成績:PJCS2021本戦シニア1位,マスター24位)

に関する内容となっております。最後までご付き合い頂けると嬉しいです。

 

 2.構築経緯

 2-1.リザードンとの決別

 自分は,冠の雪原がリリースされる前までSeries7での対戦を楽しみにしていた。なぜなら,VGC2020ルールで猛威を奮っていたリザードンが通りやすい環境だと考えたからである。

 Series5からリザードンの天敵であるテラキオンキングドラが使用可能により,頭を悩ませていたのだが,Series7から準伝説のポケモンの解禁により,相対的な構築のパワーの上昇から上記のポケモンの通りが悪くなると予想した。もちろん,リザードンの攻撃も耐えられるケースも増えると予想できるが,キョダイゴクエンの追加効果のダメージが後押しとなり,多少の誤差であると考えた。このことから,「PJCS2021で困ることはない。」と高を括っていたが,レジエレキというポケモンが自分の計画を狂わせる。

 レジエレキは,単にリザードンの上から一致弱点の技を選択できるわけではなく,「特性のトランジスタにより,ダイマックスリザードンですら一撃で倒せる破壊力」,「ダイジェット1回でも上を取れない高い素早さ」,「高い素早さからのエレキネットによる相対的な味方のS操作」の3点がリザードンを展開する上で大きな障害となるポケモンである。

 もちろん,様々な対抗策を考えてみたが,どれも自分の理想を叶えるものではなかったため(言語化すると大変なので,リバティノート様に寄稿した「エレメンタルリザピッピ」の構築記事をご覧頂けると,自分が言いたいことを少しはお分かり頂けると思います),ポテンシャルを感じてはいるが,VGC2021ルールでリザードンを諦めた。

 

 2-2.「エンテイ+オーロンゲ」構築との出会い

 VGC2021ルールは,2-1で記述した通り,VGC2020ルール以上に「隙を見せられない環境」であると印象に受けた。なので,相手に主導権を握られないように初手ダイマックスなどによる早めの奇襲が環境序盤で増加すると予想した。しかし,相手の奇襲をこちらの奇襲で返す「いたちごっこ」は,個人的にあまりやりたくなかったため,VGC2020総括の記事でも記した通り,無理に環境を追わずに2020年10月末に行われるVictory Road(Twitter:@VGCVictoryRoad)様主催の「2020 VR Tundra Challenge」の結果を見てから,新たな構築案を練ることにした。

 この大会は,オープンシート(お互いのポケモン努力値個体値以外は,既に判明している)かつBO3の形式を取っているため,初見殺しが通用しない中で,どの構築が上位にランクインするか非常に楽しみであった。

 大会終了後に結果を見てみると,上位にランクインしているほとんどの構築は,自分の予想通り,奇襲戦法を多く取り入れており(オープンシートかつBO3形式なので,それが決まるか決まらないかという話ではなく,相手に警戒させることが重要なのだと感じた),「やっぱり,いたちごっこをしなければならないのか・・・」と思った矢先,自分の予想とは真逆の構築を1つ発見する。それがVGC2021ルールで心中することになるDesu(Twitter@DesuVGC)さんの「エンテイ+オーロンゲ(PokePaste)」構築だった。

 

 2-3.「エンテイ+オーロンゲ」構築とは

 「エンテイ+オーロンゲ」構築は,先発の「エンテイ+オーロンゲ」で,リフレクターや光の壁(以下,壁)とバークアウトや電磁波などのデバフによって,相手の奇襲をダイマックスを使用せずに凌ぎ,相手のポケモンが疲弊した状態で,後発のポケモンダイマックスで一掃する戦法を主軸に置いている。

 ここまでなら,VGC2020ルールの「ウインディ+オーロンゲ」構築とほぼ戦法ではあるが,先発の「エンテイ+メタグロス」で「地均し+弱点保険」のギミックも可能であるため,選出の幅が広がっている点で,「ウインディ+オーロンゲ」構築とは比較できない程の進化を遂げている。

 この戦法がVGC2021ルールの序盤の環境に非常にマッチしており,この構築を煮詰めることに決めた。自分が今まで使用していた構築と真逆のスタイルであったが,VGC2020ルールの頃に,WCS2016日本代表のジュニオ(Twitter@JUNiOichi)さんの「ウインディ+オーロンゲ」構築を使用したり,お話を聞いていたので,使用することに抵抗はなかった。

 

 2-4.取り巻きのポケモンの選択

 Desuさんの構築を使用してみて,能動的に弱点保険を発動できるメタグロスと他の3体との相性補完の良さと悪巧みを覚えることができる水ロトムの2体は,変更の余地がないと感じたため,この4体では対応が難しい並びに対して,残りの2体の選択が鍵を握っていると考えた(相変わらず,霊獣ランドロスモロバレルの扱いが下手なのをどうにかしたい・・・)。

 この構築は,S操作が乏しいため,どうしてもレジエレキやドラパルト,化身ボルトロス等の上から高火力を叩き込む構築に対して受け身になってしまい,下振れを引いた瞬間,負けが確定する対戦があると予想した(トリックルーム構築に対しては,VGC2020ルールの頃に,ジュニオさんから先発の「ウインディ+オーロンゲ」で何とかなるというお話を聞いていたので,「エンテイ+オーロンゲ」で大丈夫だろうと判断した)。

 「では,こちらも上から制圧するポケモンを使えばよいのでは?」という発想に至り,VGC2020ルールの「ドラパルト+バンギラス」構築を彷彿とさせる「ドラパルト+こだわりスカーフ持ちの霊獣ランドロス(S実数値換算で211に調整)」を使うことに決めた。懸念事項として,ドラパルト同士の同速勝負があるが,新環境になってブリザポスやカプ・レヒレなどのドラパルトに強いポケモンが増えているため,そこまでミラー対面が起こらないのではないかと考え,気にしないことにした。

 

 2-5.シーズン12

 新環境になって初めてのシーズンであったからか,レート2000の到達者が続出したシーズンであった。その光景に自分も刺激を受けて,「レート2000に到達するまで終わりたくない!!」という気持ちで挑み,レート2008で終わることができた良いシーズンであった。しかし,次第に「ドラパルト+こだわりスカーフ持ちの霊獣ランドロス」の並びが弱いことに気付き,「エンテイ,オーロンゲ,メタグロス,水ロトム」の4体でシーズンの終盤のほとんどの対戦を戦っていた(実質4体でレート2000に到達できるので,非常に高いポテンシャルを持っていると確信)。

  流石に今後4体で勝てるほど,ポケモンというゲームは甘くはないので,4体で辛いポケモンをもう一度考えてみる。

 

  •  悪ウーラオス,水ウーラオス
     壁を無視する暗黒強打や水流連打に頭を悩ませる。また,悪ウーラオスは,特性の悪戯心が無効。

  •  レジエレキ
     ダイマックスを使用しないと致命傷を負う破壊力と高い素早さからのエレキネットを防ぐ手段がない。

  •  カミツルギ
     先発の「エンテイ+オーロンゲ」の役割を果たしつつ,エンテイのHPを温存する必要がある。

  •  ドラパルト,エースバーン,化身ボルトロス
     1つでも選択を間違えると,先発の「エンテイ+オーロンゲ」で3ターンのダイマックスを耐えきれないことがある。後発のメタグロスと水ロトムにも有利。

  •  モロバレル
     「この構築にカプ・レヒレはあり得ない。」と考えているため,割り切っている。

 

 以上のポケモンを意識して,残りの2体を考える前に,もう一度この構築のコンセプトである「相手にデバフがかかって機能停止している隙に,積み技を使用して後発ダイマックスで全抜きする」を思い出す。つまり,有象無象の構築を意識して,様々な種類の積みアタッカーを用意する必要があると感じた。メタグロスと水ロトムは単体技がメインウエポンのため,全体技を覚える積みアタッカーを探したところ,ガラルファイヤーがヒットした。

 また,ガラルファイヤーは,暗黒強打半減,カミツルギとドラパルトに強いのが優秀である。オーロンゲとの悪タイプ被りが気になるが,オーロンゲの攻撃技がソウルクラッシュのみで,悪技が欲しかったこともあったので,攻撃面においての役割被りがない。

 ここまでくると,レジエレキをはじめとした電気タイプに非常に苦しい立ち回りを強いられるため,地面タイプで汎用性の高い霊獣ランドロスに突撃チョッキを持たせることで,ダイマックスプランも現実的になった。

 

 2-7.Series7終盤での変更事項

 現時点でのこの構築の弱点の1つとして,勝率が選出択依存になる構築が存在するというのがある。例を挙げると,ブリザポス構築において「トリックルーム+ブリザポス」を意識すると,霊獣ランドロスやガラルファイヤーの選出を控えたくなるが,それらのポケモンの選出を控えてしまうと,取り巻きのレジエレキや悪ウーラオスへの立ち回りがシビアになる。

 2020年12月に開催されたオフライン大会で,WCS2019ベスト16のねっちさんと対戦したときに,ねっちさんは,「メタグロス+壁にブリザポスは選出したくない。」と仰っていたが,ランクバトルでは,自分の構築にブリザポスを選出する人も半数程度いたので,何が正解なのか分からなくなってしまい,シーズン13の結果もあまり奮わなかった。

 ここで立ち止まるのは,いくらPJCS2021の開催が半年後であるとはいえ(この時点では,このルールが変わることはないと誰もが考えていたはず),流石に危機感を覚えたため,シーズン13Top30の構築をリバティノート(Twitter:@_Liberty_Note)様の記事で確認してみたところ,シーズン12Top30に1つしかランクインしていなかったメタグロスが,シーズン13で4つかつTop10に3つランクインしていることに注目した。使用率1位の悪ウーラオスが苦手なメタグロスで上位にランクインする構築は,ほんの一握りだと考えていて,大変疑問ではあったのだが(※),メタグロスにサイドチェンジを搭載しているのを知って,非常に納得し,以下の2つの理由で,この構築(←ここ重要)でメタグロスの守るを搭載する必要性が薄いと考えた。

 1つ目は,後発のポケモンダイマックスする戦法を主軸に置いているということである。ダイマックスを消費した終盤の疲弊したポケモンで,ダイマックスしたポケモンを止めることは基本的に難しく,オーロンゲの壁もあるため,集中攻撃も余裕を持って耐えることができる。

 2つ目は,サイドチェンジの弱点である全体技についてだが,こちらもオーロンゲの壁により,「ダブルダメージ補正(3/4)」×「壁補正(2/3)」=1/2でダメージを半分に抑えることができるため,そこまで痛手にはならない。

 上記のこともあり,メタグロスが本当に守るが欲しい場面は,「ダイマックス技」と「悪ウーラオスの暗黒強打」の単体攻撃2つであったため,それらはサイドチェンジ(この構築でカプ・レヒレより水ロトムの方が優れている理由の一つ)やサイドチェンジ媒体のダイウォールで防ぐことができる。

 また,先発の「エンテイ+オーロンゲ」の壁展開が急所で台無しにされて,場が整っていない状態で後発のポケモンを繰り出すときの補助(「あなたがズルしたから,こっちもズルして良いですよね?」理論)や「トリックルーム+ブリザポス」構築を「交代読み」と「サイドチェンジ」を駆使して,ダイマックスやトリックルームのターンを無駄に消費させることもできる(怪電波や捨て台詞をメタグロスの特性であるクリアボディで無効化できるのも優秀)。

 以上より,メタグロスにサイドチェンジを搭載した形がSeries7時点での自分の「エンテイ+オーロンゲ」構築となります。

 

(※)

 「そのようなことを記述しておきながら,なぜ自分もメタグロスを使用しているのか。」と大半の方が疑問に思われるかもしれませんが,自分の構築には,「メタグロスは悪ウーラオスで解決できる。」という思い込みを利用したギミックをいくつか用意しているためです(悪ウーラオスの規格外の性能により,それでも辛いことには変わらないですが)。

 今までのほとんどの構築記事にも同様の意図が組みこまれていますので,興味のある方は探してみて下さい(最近で言うと,「VGC2020ルールのリザードンは,「バンギラス+ドリュウズ」構築で解決できる。」という思い込みを利用し,それらの構築に確実に勝ちを積み上げていったエレメンタルリザピッピ構築ですね)。また,「エンテイロンゲ A to Z No.2」や「エンテイロンゲ A to Z No.3」の構築記事でも同様の意図で構築を組んでいますので,お楽しみに!

 

 3.使用構築

 詳細は,「エンテイロンゲ A to Z No.3」の構築記事で記述しますので,要所のみの説明となります(選出も省略します)。

 

 3-1.ガラルファイヤー f:id:Koheibrain:20210628005106p:plain

 持ち物:命の珠

 性格:控え目

 特性:逆上

 実数値(努力値):H175(76)-x-B110-C165(236)-D145-S135(196)

 技:燃え上がる怒り/エアスラッシュ/悪巧み/守る

 

 臆病にしてもS+1でドラパルト抜けるくらいしかメリットと考えていますので,悪巧みに頼らずに火力が出せるように性格を控えめかつ持ち物を命の珠にしていますが(それでも火力が怪しいと感じています),S+1で最速レイスポスを抜けないのはマズいため,S実数値を135に設定しました。

 エアスラッシュをあまり選択することがなかったため,ダイマックス媒体で威力が上がる暴風の方が良かったかもしれません(暴風なら,C+2ダイジェットでH191D121までの進化の奇石持ちのポリゴン2を15/16で倒すことができます)。

 

 3-2.エンテイ f:id:Koheibrain:20210418235226p:plain

 持ち物:マゴの実

 性格:陽気

 特性:精神力

 実数値(努力値):H213(180)-A136(4)-B106(4)-C99-D104(68)-S167(252)   

 技:聖なる炎/地均し/バークアウト/守る

 

 このポケモンに突撃チョッキを持たせているのを良く見かけますが,守るは絶対必要だと考えています。このポケモンの一番の役割は,後発のポケモンを気持ち良く場に繰り出すための「ターン稼ぎ」ですので,ダイマックスやトリックルームのターンを稼げずに倒れるのは本末転倒です。また,VGC2020ルールでサポート型のウインディにタイミング良く守られて,少しイライラした経験も含んでの採用となりました(突撃チョッキ持ちを始めとしたその他の持ち物のエンテイについては,「エンテイロンゲ A to Z No.3」の構築記事で詳しく記述します)。

 このポケモンは,使用率1位のウーラオスより速く,リザードンやサンダーに同速勝負を仕掛けることができるS種族値100という素早さと,ガオガエンの特性である威嚇を無効化したり,猫騙しや岩雪崩などで怯まない特性の精神力という非常に高い性能を持っています。また,50%で火傷状態にさせる聖なる炎,メタグロスの弱点保険の発動や気合いの襷を潰しながらS操作ができる地均しなど,サポート寄りの型なのにヘイトを集めやすいのもこのポケモンの強みです。

 調整は,最速はもちろんのこと,マゴの実でHPを1/3回復するため,HP実数値を3nにしつつ,BとDの値の差が小さくなるように設定しました。後述のオーロンゲと並べると,ポリゴン2の特性のダウンロードでAが上がるようにもしました。

 

 3-3.メタグロス f:id:Koheibrain:20210418235312p:plain

 持ち物:弱点保険

 性格:意地っ張り

 特性:クリアボディ

 実数値(努力値):H181(204)-A187(116)-B150-x-D110-S114(188)

 技:アイアンヘッド/地震/冷凍パンチ/サイドチェンジ

 

 相手に先発「エンテイ+メタグロス」を意識させることで,先発「エンテイ+オーロンゲ」の1点読みの選出がし辛いと期待しての採用です(たまに,先発「エンテイ+メタグロス」を無視した選出をされると,腑に落ちないのですが・・・)。

 もちろん持ち物は,相手のポケモンに一番圧力をかけることができる弱点保険です。他の弱点保険持ちのポケモンとの違いは,相手のSを下げながら,弱点保険が起動できる行動を1ターンで可能なことです。また,ある程度の素早さはあるので,中速程度のポケモン(S種族値100くらいと解釈しています)なら地均し1回で抜くことができます。

 説明不要のアイアンヘッドとサイドチェンジ以外の技に関しては,1回の行動で地団駄2回分の行動になり,地面技無効のポケモンが3体いるため,味方を巻き込む可能性が低い地震(この指止まれや怒りの粉,サイドチェンジを無視できるのも優秀),霊獣ランドロスへの強力な打点や最悪な状況を凍らせて逆転できる可能性がある冷凍パンチを採用しました。また,A+2ダイアイスで気合いの襷持ちの悪ウーラオスを1ターンで倒すことができるのも優秀で,この構築で思念の頭突きや岩雪崩,雷パンチは論外であると考えています。

 調整は,A11n(性格が陽気のA努力値252振りと同じ数値),準速60族+2(この素早さでほとんどのカプ・レヒレは抜いていると考えており,仮に抜かれていた場合は耐久が低いと判断),エンテイの地均し1回で最速ウツロイドまでの素早さのポケモンを抜けるように設定しました。

 

 3-4.水ロトム f:id:Koheibrain:20201014005517p:plain

 持ち物:オボンの実

 性格:控え目

 特性:浮遊

 実数値(努力値):H152(212)-x-B128(4)-C154(116)-D128(4)-S128(172)

 技:ハイドロポンプ/10万ボルト/悪巧み/守る

 

 VGC2020ルールでもお世話になった痒い所に手が届くポケモンとして採用です。強さは言うまでもないので,調整の説明だけ記述します。

 C実数値を154(7世代のカプ・レヒレのC実数値154みたいな感じです),準速ウオノラゴン抜き,オボンの実でHPを1/4回復するため,HP実数値を4nに設定しました。

 

 3-5.霊獣ランドロス f:id:Koheibrain:20210418235533p:plain

 持ち物:突撃チョッキ

 性格:意地っ張り

 特性:威嚇

 実数値(努力値):H188(188)-A192(76)-B115(36)-x-D102(12)-S136(196)

 技:地震/岩雪崩/空を飛ぶ/蜻蛉帰り

 

 人によって好みが分かれる枠だと思います。この構築の霊獣ランドロスポリゴン2に変えた構築Zelda Challengeでベスト16という成績を残していましたが,ポリゴン2では,電気技が一貫しているのと,セキタンザン構築が厳しいため(Zelda ChallengeのルールがオープンシートかつBo3形式の対戦なので,セキタンザン構築が不利であると判断したと考えられます),地面タイプのポケモンを採用した方が良いと考えました。環境序盤であるので,メタ範囲を絞る必要性は低いのと,できる限り隙がない叩き台の方が後に構築を見直す上で環境に合わせた改良ができると考えたからです。

 霊獣ランドロスに拘らずにガブリアスでも良いかもしれませんが(Zelda Challengeで準優勝したpokealex(Twitter@PokeAlex_)さんは,「壁+ガブリアス」の構築を使用されていました),たまにマッチングする「バンギラスドリュウズ」構築が厄介であると考えていたので,特性が威嚇である霊獣ランドロスに軍配が上がりました(「エンテイロンゲ A to Z No.3」の構築記事で,霊獣ランドロスガブリアスの違いを詳しく記述します)。

 技構成に関しては,蜻蛉帰りをそこまで使用しなかったので(単に自分が6世代の頃から霊獣ランドロスの蜻蛉帰りを使用するのが下手なだけだと思います・・・),相手の霊獣ランドロスガオガエンの特性である威嚇を返り討ちにする剣の舞も候補に挙がりましたが,守るを採用していない攻撃寄りの種族値のこのポケモンが相手の隙を見て壁だけで剣の舞を選択できるかが当時は不安であったため,採用には至りませんでした。

 調整は,悪ウーラオスの拘り鉢巻持ちの暗黒強打を15/16で耐え,自分のガラルファイヤー+1(蜻蛉帰りして交代先に繰り出されるポケモンにガラルファイヤーのダイジェットのバフを乗せるため),A192でレジエレキへのダブルダメージ補正のA-1地震のダメージが変わるように設定しました。

 

 3-6.オーロンゲ f:id:Koheibrain:20210418235710p:plain

 持ち物:光の粘土

 性格:慎重

 特性:悪戯心

 実数値(努力値):H201(244)-A141(4)-B110(196)-x-D113(60)-S81(4)

 技:ソウルクラッシュ/電磁波/リフレクター/光の壁

 

 このルールでこのポケモンを完封できるのは,特性が化学変化ガスの(ガラル)マタドガスだけだと思っているので,1体機能停止(犠牲)にするしかこのポケモンは止められないです(7世代のシングルバトルの呪いと痛み分け搭載のミミッキュみたいな立ち位置だと解釈しています)。

 自分が尊敬するVGCプレイヤーが2020年のポケモン日本一決定戦終了後(Series5ルール)に「トゲキッスにキレる人はダメだ。」とを言っていましたが,トゲキッスがいないと,このような戦い方が台頭してくるのですよね。

 技に関しては,特性がクリアボディのドラパルトの素早さを遅くしたいので電磁波を採用しています。この構築は,下振れを1回は引く前提の構築なので(2回以上なら文句を言いたくなりますが),「あなたがズルしたから,こっちもズルしても良いですよね?」という理論を再び振りかざしています。

 調整は,A209のブリザポスのヘビーボンバーを15/16で耐えとミラー意識でS81(努力値がカツカツなポケモンなので,S無振りの個体がまあまあいる),残りのHPとDの努力値を,エンテイと並べてポリゴン2の特性のダウンロードでAが上がるように設定しました。

 

 4.Series7の成績

 シーズン12ダブル レート2008 39位 83勝39敗

 シャロン杯 入賞4回(1位1回,3位3回)

 

 5.Series7終了時点での課題

  •  オーロンゲの特性の悪戯心による電磁波が通らないポケモンの増加(カプ・レヒレなどのフィールド面による対策や電気,地面,悪などのタイプ面による対策など)。
  •  雨構築に対して受け身になっている(特に,キングドラを一撃で倒せるポケモンがいない)。
  •  サイドチェンジ搭載のメタグロスが選出できない構築に対しての下振れのカバーが難しい。
  •  ブリザポスとレジエレキが同居している構築など、選出択を外してしまうと厳しい展開になる構築が一定数存在する(これに関しては,自分の能力の問題なのかもしれませんが)。
  •  モロバレルが重い(本当に勘弁して下さい・・・)。

 

 6.最後に

 いかがだったでしょうか。

 「エンテイ+オーロンゲ」構築に対しての手応えは掴んだものの,5の課題をなかなか克服できずに勝ちきれなかったため,悔しいシリーズとなってしまいました。それと同時に,Series8でまさかの禁止伝説のポケモンが使用可能であるルールに変更となり,とても驚いたことを今でも覚えています。

 次回の「エンテイロンゲ A to Z No.2」の構築記事では,

 

  •  一体なぜ,懲りずに「エンテイ+オーロンゲ」構築を使い続けたのか。
  •  Series7での課題は,克服できたのか。
  •  禁止伝説のポケモンの使用率1位がザシアンなのにも関わらず,なぜイベルタルを選択したのか。

 

 以上のことを中心に,Series8について記述していきます。

 ここまで見て下さってありがとうございました。