【VGC2019 Ultra Series】 Best of 3 Cup Summer 2nd 準優勝 「Xerneas+Rayquaza+Genger」
VGC2019のウルトラシリーズで使用した構築を紹介します。
VGC2019のサンシリーズの構築記事の「6」から,自分のウルトラシリーズが始まります。
目次
1.構築経緯
1-1.時期:9月上旬(第15回南白オフ終了後,インターネット大会「アンリミテッドトライアル」)
→
第15回南白オフで,カプ・テテフ+アギルダーの組み合わせに手応えを感じ,インターネット大会の「アンリミテッドトライアル」に第15回南白オフで使用した構築をそのまま持ち込んで参加したが,結果は惨敗だった。
勝てなかった理由を考えながら,TLを眺めていると,ふぉんでゅ。さんが同大会でカプ・テテフ+アギルダー入りのレックウザ+ゼルネアス構築を使用して全勝(うろ覚えですが,11-0くらいでした)していたのが目に止まり,ウルトラシリーズでカプ・テテフ+アギルダーの組み合わせを使用するには,レックウザ+ゼルネアス構築が最適であるという勘違いを起こす(自分がカプ・テテフ+アギルダーの組み合わせを上手く扱うことができないのに,まだ気付いていないという意味です)。
1-2.時期:3月中旬(インターネット大会)
( )・・・11月INC(サンシリーズ)予選落ち
( )・・・2月INC(ムーンシリーズ)予選落ち
( )・・・PJCS2019予選(ウルトラシリーズ)自信無し→予選落ち?
サンシリーズやムーンシリーズの考察の息抜きに,ウルトラシリーズの考察を行うことがあったが,勝ちのビジョンが見えず,2018 International Challenge November(以下,11月INC)や2019 International Challenge February(以下,2月INC)でPJCS2019の出場権を獲得しなければ,自分のVGC2019は終了したと言っても過言ではない程であった。
しかし,11月INCでは,ボーダーの読み違いで1勝足らずで予選落ち,2月INCでは,レートが「11月INCのボーダー(レート1826)」+1に到達したことで慢心して予選落ちとなり,当時PJCS2019の出場権を獲得出来そうだと考えていた2つの大会で取り返しのつかないミスをしてしまい,PJCS2019の出場権を易々と誰かに受け渡すまでのカウントダウンが始まった。
2月INCの予選落ちがあまりにも情けなさ過ぎて,誰の慰めの言葉も聞きたくはなく(その時に,あへあへさん,すみとも。さん,ゆとりさんの励ましのリプライを無視してしまい,大変申し訳ありませんでした),いっそ誰にも気付かれないように雲隠れしようという考えが頭をよぎったが,同じ鹿児島勢のぷりんさんから送られたTwitterのDMを見て,また1から頑張ってみようという気持ちが湧き上がってきた(ぷりんさん本人の意向により,内容は伏せさせて頂きます)。
1-3.時期:3月中旬~4月中旬(第16回南白オフ~第39回がにゅーオフ)
+→ ×
第16回南白オフと第39回がにゅーオフ共に,カプ・テテフ+アギルダー入りのレックウザ+ゼルネアス構築で惨敗し,このとき初めてカプ・テテフ+アギルダーの組み合わせが自分に合っていないことに気付く(あまりにも遅すぎる)。この時点で,PJCS2019予選まで残り1週間を切っており,今から構築を考えるのは無理なため,ついに崖っぷちに追い込まれた。
1-4.時期:4月中旬(PJCS2019予選)
「このままではダメだ!!」と思い,藁にもすがる思いで第39回がにゅーオフ終了後からPJCS2019予選までの間にやみくもに対戦していた。もちろん,勝率は酷いものであったが,この地道な努力がある方のレックウザ+ゼルネアス構築を発見したことで実を結び(本人の意向により,名前は伏せさせていただきます),PJCS2019予選の1日目の夜に構築が完成して,PJCS2019予選に臨んだ。
PJCS2019予選で使用した構築と結果は以下の画像の通りである。
この構築で一番衝撃だったポケモンがミストシード持ちのカプ・レヒレだった。今までカプ・レヒレは,多くの優秀な技を覚えられるが,その優秀な技を犠牲にしてまで,守るを搭載する意味がなかったため,Zワザの的になりやすいことが気になっていた(そもそもサポート寄りのポケモンに守るを入れたところで,戦況が大きく変わるとは考えにくい)。
ウルトラシリーズにおいて,カプ・レヒレが1撃で倒されるZワザは,10万ボルトZとサイコフィールド補正の特殊ウルトラネクロZのみだったので,それらを無理矢理耐えることができるミストシードを持たせることで,どのような盤面でも確実に行動ができるのがとても強かった。もちろん,集中攻撃をされると倒されてしまうことがあるが,隣のレックウザやゼルネアスを無視してまで,その行動を優先するのは,数十手先の行動が見えているプレイヤー以外は,とても難しいだろう。また,カプ・レヒレを倒せないと分かっていても,Zワザを打たざるを得ないという精神的ダメージを相手に負わせることも大変優秀である。
PJCS2019予選では,このカプ・レヒレのお蔭で,カイオーガやルナアーラ,ネクロズマ等の特殊攻撃主体の構築に全勝し,自信を取り戻すことができた。
1-5.PJCS2019本戦に向けて
(++) ×
PJCS2019予選の反省は,レックウザとゼルネアスとの相性が良い霊獣ランドロスの活躍がイマイチなことであった。ミストシード持ちカプ・レヒレのお蔭で,ビートダウン展開の抑制には成功していたので,こちらの構築と同じコンセプトである「場を整えてから反撃の機会を伺う」構築に有利が取れる霊獣ランドロスを絡めた選出ができれば良いと考えた。
色々と考えた結果,VGC2018で猛威を奮っていた滅びの歌搭載のメガゲンガー+ガオガエンに辿り着くことができた。PJCS2019予選では,メガゲンガーの特性の影踏みによって,相手のポケモンの動きを封じながらじわじわとデバフをかけていったが,急所で打開される可能性があることや,PJCS2019本戦やWCS2019での対戦時間の重要性から,立ち回りの関係で1試合の対戦時間が長くなってしまうのは良くないと考えた。なので,滅びの歌によって,早めに相手の残数を減らした方が良いという考えに至った。
こちらの滅びの歌の展開を阻害するポケモンとして,一番考えられるのがガオガエンだったので,A-1でも地震Zで一撃で倒すことができる霊獣ランドロスが自然と選出に入ってきた。また副産物として,メガゲンガーとガオガエンのHPを全体技で大きく削ってくるゲンシグラードンやゲンシカイオーガに対して睨みを利かせることができたり,叩き落とすによって性格が控えめのゼルネアスのパワープレイを防ぐことができたりすることも優秀であった(余談ですが,2月INCでS関係も分からないのに霊獣ランドロスでゼルネアスに叩き落とすを打たれて負けたのマジで許せないし,マジでブチ切れましたね)。
さらに,相手が必死に滅びの歌を潜り抜けようとしているときに,ゼルネアスのジオコントロールを合わせることで,相手に2重の絶望を与えることができる。なので,絶対に滅びの歌で決める構築ではないことも,この構築の強いところである(場合によっては,「わざと」滅びの歌を潜り抜けさせるプレイングをすることがある)。
この思考に至る上で,ベテさんがVGC2016で使用されたあくびニャオニクス+ゼルネレックとユウキさんがVGC2018で使用されたミストフィールド滅びBIG-Kを参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
1-6.PJCS2019本戦
R1 × R2 〇 R3 × R4 ×
R5 × (R6 〇 R7 × )
こうして迎えたPJCS2019本戦。運が悪くてもWCS2019のDay1の権利(4勝3敗)は,確実であろうと高を括っていたが,結果は2勝5敗の惨敗(1勝4敗→2勝5敗)。
1勝4敗までの負けの内容は,「25%の乱数を引かれる」,「2連守るを読まれる(決まらなかったが,決まっても負け)」,「日食ネクロズマの竜の波動を失念」,「グラードンの型を物理型と決めつけたら,特殊型」だった。
最初の1敗は,仕方がなかったにしても,残りの敗戦は,明らかな自分のミスであったことが何よりもショックであった。当時は,「PJCS2019予選直前まで,予選落ち確実な状態であった人間が,PJCS2019本戦に出場できただけでも頑張った方じゃないか。」と,悔しさを紛らしてはいたが,時間が経つにつれて,誤魔化し切れないほどの後悔の念に苛まれ,しばらく無気力になってしまった。あの時は,一緒に行動を共にしていた方たちに,多大なる迷惑をかけてしまい,本当に申し訳なかった。
1-7.有終の美を飾るために
VS (Best of 3 Cup Summer 2nd決勝戦)
自分のVGC2019は,PJCS2019本戦で終了したのだが,「惨敗したままで終わりたくはない」,「WCS2019に出場される方のサポートに徹したい」という思いから,ひいあさん主催の「BO3 Cup Online」と8月に開催された「Best of 3 Cup Summer 2nd」に参加することに決めた。
その結果,「BO3 Cup Online」での反省を生かして,「Best of 3 Cup Summer 2nd」で準優勝という結果で終わることができたのと,「BO3 Cup Online」で対戦したふゆばれ君のWCS2019のシニアカテゴリの優勝に少し貢献できたことは,何よりも嬉しかった(シニアカテゴリの決勝戦の相手が滅びの歌構築)。
以下,使用した構築とその解説です。
2.使用構築
2-1.ゲンガー
持ち物:ゲンガナイト
性格:臆病
特性:呪われボディ→影踏み
実数値(努力値):H149(108)-x-B81(4)-C151(4)-D113(140)-S178(252)
→H149-x-B101-C191-D133-S200
技:シャドーボール/ヘドロ爆弾/滅びの歌/守る
調整
HB:命の珠持ちA232メガレックウザのA-1画竜点睛を9/16で耐え。
HD:命の珠持ちC200メガレックウザの大地の力を11/16で耐え。C183ゼルネアスのダブルダメージC+2マジカルシャインを2耐え。
C:余り。
S:最速。
ゲンガナイト
メガシンカするために必要。
臆病
カプ・コケコとの対面で,50%以上の確率で先に行動したいため。
この構築で重いソルガレオを始めとした鋼タイプに対する打点を確保する技。ルナアーラやネクロズマに大ダメージを与えられるのも優秀。
ヘドロ爆弾
カプ系統やゼルネアスに致命傷を負わせたり,ガオガエンを削ったりできる技。追加効果も優秀。
滅びの歌
このポケモンの最大の採用理由。ゼルネアスミラーにおいて,ゼルネアス同士の殴り合いの展開を否定する技。また,BO3の2戦目以降において,1戦目のレックウザ+ゼルネアスのビートダウン展開が脳裏に焼き付いている状態でこの技に対応することは,非常に困難である。
守る
滅びの歌のターン稼ぎや特性の影踏みによって,相手の盤面をロックしながら,自分の盤面を整える時間を作るために必須級の技。
VGC2016ルールでも使用した愛着のあるポケモン。VGC2016ルールでも滅びの歌構築が一部の界隈で開拓されていたことを知っていましたが,VGC2016ルールは,「禁止伝説のポケモンの殴り合い」であったため,「倒される前に倒せ」のような環境でした。
しかし,VGC2019ルールは,特性が威嚇のガオガエンとカプ系統,ウルトラビーストの存在により,一般ポケモンも殴り合いに参加することができる環境と変貌してしまい,一般ポケモンに対してのメタも張る必要となりました。と言うことは,「滅びの歌展開が成立しやすくなっているのでは?」という推測が立ったという話です。
禁止伝説のポケモンが使用できるルールで,「まさかそんな小細工なんてしないだろう。」という世間の考えを裏切るような活躍をしてくれました。
配分は,Wolfe GlickさんがWCS2016で使用したゲンガーと全く同じ配分です。PJCS2019予選で,命の珠持ちのメガレックウザの大地の力をギリギリで耐えたので,感謝しています。
2-2.レックウザ
持ち物:命の珠
性格:せっかち
特性:エアロック→デルタストリーム
実数値(努力値):H181(4)-A202(252)-B99-C170-D110-S161(252)
→H181-A232-B108-C200-D120-S183
技:画竜点睛/大地の力/神速/守る
調整
H:余り。
A:できるだけ多く。
S:命の珠を持っているため,最速。
命の珠
せっかち
大地の力の火力を削りたくなかったことと,特性のデルタストリームや光の壁で,ゲンシカイオーガの冷凍ビームで倒される可能性を少なくしたかったため。
画竜点睛
大地の力
レックウザやゼルネアスの攻撃が通りにくい鋼タイプに対する打点として。トリックルームを覚えるツンデツンデの処理を第一に考えていたため,オーバーヒートは採用せず(炎打点が必要な時は,ガオガエンを大切に扱う)。また,画竜点睛の効果で耐久が落ちるのを嫌って,選択することもある。
神速
優先度+2により,終盤の詰めや特性が悪戯心のポケモンによる変化技より先に行動できる優秀な技。
守る
ほとんどのポケモンの物理耐久は,メガレックウザの画竜点睛を意識しているため,ヘイトを集めやすいから。また,ゲンシグラードンやゲンシカイオーガの構築との対戦で,カプ・レヒレの熱湯やガオガエンのフレアドライブを通す場面を作る必要があるため,大切に扱う必要があるから。
このルールにおいて,ジオコントロールを使用したゼルネアスが単体性能が一番高いポケモン,持ち物が持ててメガシンカできるこのポケモンが単体性能が2番目に高いポケモンだと考えています。
あらゆるポケモンを1撃で倒す姿は,VGC2016ルールで使用していた時のとてつもない強さを彷彿とさせるものでした。
2-3.ランドロス(霊獣フォルム)
持ち物:地面Z
性格:陽気
特性:威嚇
実数値(努力値):H165(4)-A196(244)-B111(4)-x-D101(4)-S157(252)
技:地震/叩き落とす/蜻蛉帰り/守る
調整
HB:拘りハチマキ持ちのA232メガレックウザのA-1画竜点睛を15/16で耐え。A232メガレックウザの画竜点睛を7/8で耐え。
A:できるだけ多く。
D:余り。
S:最速。
地面Z
A-1でも環境に存在するガオガエンを一撃で倒すため。
陽気
最速ゲンシグラードンやゲンシカイオーガを抜きたかったため(実際,最速個体は少ないので,本当は火力重視で意地っ張りにしたいが,万が一抜かれたら萎えるため)。
ゼルネアスと対面したとき,互いの特性の発動順で,ゼルネアスの配分が判断でき,叩き落とすの選択が裏目になることがないため(自分は,ゼルネアスが遅いと決めつけて叩き落とすを選択する人間ではないので)。
主に地面Z媒体で使用する技。レックウザと並ぶことはあまりないため,Zワザ以外で使用することは,多くはなかった(VGC2018で物理ランドロスを扱うのが苦手だった理由が改めて分かりました)。
叩き落とす
ルナアーラへの最高打点としての採用。副産物として,ゼルネアスのパワフルハーブを落とすこともできる。ランドロスがゼルネアスより速いのが確定したらですが(2回目)。
蜻蛉帰り
滅びの歌展開の成功率を上げる技。また,ガオガエン環境であることから,攻撃しながらデバフをリセットするのにも役立つ。
守る
滅びの歌のターン稼ぎやガオガエンの猫騙しを防いでから,地面Zを決めたいため。
この構築で一つ不満を挙げるとするならば,Zワザが補完になってしまったことです。しかし,レックウザとゼルネアスの単体性能があまりにも高すぎて,そのようなハンデ(?)は,全く気になりませんでした。ガオガエンと組み合わせた時の2枚威嚇の強さは,VGC2018を彷彿とさせるものでした。
2-4.ゼルネアス
持ち物:パワフルハーブ
性格:控えめ
特性:フェアリーオーラ
実数値(努力値):H221(156)-x-B122(52)-C190(172)-D119(4)-S135(124)
技:ムーンフォース/マジカルシャイン/ジオコントロール/守る
調整
HB:拘りハチマキ持ちのA232メガレックウザの画竜点睛を13/16で耐え。
C:できるだけ多く。
D:余り。
S:最速70族(S実数値134)抜き。S+1(S実数値換算202)で,最速130族(S実数値200)抜き,S+2(S実数値換算270)で,S+1の最速111族(S実数値換算268)抜き。
パワフルハーブ
ジオコントロールを1ターンで使用するため。
控えめ
ほとんどのポケモンの特殊耐久は,性格が臆病のゼルネアスのフェアリーオーラ補正C+2ムーンフォースを意識しており,その耐久調整を狂わせるため。
最高威力のフェアリー技。追加効果も優秀。
フェアリーの全体技。ジオコントロール使用後は,ダブルダメージとは思えない程の火力を叩き出す。
ジオコントロール
このポケモンの採用理由。この技を成功させることを意識しながら,立ち回る。
守る
ジオコントロールという存在により,ヘイトを集めやすいため。また,ターン稼ぎや隣にガオガエンが並ぶまでの時間を稼ぐための技。
サン・ムーンシリーズに引き続き使用したポケモン。このポケモンの強さは,サン・ムーンシリーズの記事で余すことなく説明しましたので,VGC2019ルールにおいて,このポケモンと心中した理由について記述していきたいと思います。
自分は対戦ゲームにおいて,逆張りの人間であることをVGC2018の記事で記述しています。VGC2016ルールで猛威を奮っていたこのポケモンがVGC2019ルールで急激に弱くなるわけがないので,メタが多少緩んだタイミングを見計らって使用を決意したという話です。このポケモンに強い一般ポケモンが7世代で増えたのが誤算ではありましたが,VGC2016ルールよりメタが緩んだ中で,あまり不快に感じることなく使用することができました。
2-5.ガオガエン
持ち物:突撃チョッキ
性格:慎重
特性:威嚇
実数値(努力値):H200(236)-A136(4)-B111(4)-x-D154(236)-S84(28)
調整
H:4nにすることで,ピンチベリーを所持している可能性を残すため。
A:余り。
B:余り。
D:11nでの最大値。
(突撃チョッキのみ)
C221ゲンシカイオーガのダブルダメージ雨潮吹き(威力150)を7/16で耐え(H200D155なら,9/16で耐えだったので考察不足)。C201ゼルネアスのフェアリーオーラ補正のダブルダメージC+2マジカルシャインを2耐え。C219ウルトラネクロズマのブレインフォース補正の大地の力を2耐え。達人の帯持ちのC158トリトドンの大地の力を15/16で2耐え。
(突撃チョッキ+光の壁)
C201ゼルネアスのフェアリーオーラ補正のC+2ムーンフォースを2耐え。C201ゼルネアスのフェアリーオーラ補正のダブルダメージC+2マジカルシャインを3耐え。C221ゲンシカイオーガの雨熱湯を29/32で2耐え。
S:性格が控えめのカイオーガが拘りハチマキ持ちのA232メガレックウザの画竜点睛を15/16で耐える配分の素早さの最大値(S実数値124)+1(S実数値125)のポケモンをS-1(S実数値換算83)で+1。つまり,自分のカプ・レヒレ(S実数値125)より遅いポケモンは,凍える風1回で自分のガオガエンより遅くなる。最遅90族(S実数値85)-1。
突撃チョッキ
上記の耐久を実現するため。
慎重
上記の配分を満たすため。
威嚇
この構築のコンセプトである「相手の攻撃を凌いでからのカウンター」を実現しやすくするため。特性発動順でミラー対面での素早さを判断できるのも大きい。
ゼルネアスやモロバレル,ソルガレオ等の鋼タイプのポケモンのHPを大きく削るため。
バークアウト
ネクロズマやゼルネアス,カイオーガ等の特殊火力を削いで,ジオコントロールの使用の機会をうかがうため。この指止まれや怒りの粉を無視できるのも評価。
蜻蛉帰り
ガオガエンの素早さが遅いことを利用して,相手のポケモンの攻撃を受けてから,後続のポケモンに交代したいため。後出しでの交代になるため,交代が裏目になることが少ないのも評価。
猫騙し
ジオコントロールや滅びの歌のサポートに必要な技。
「このポケモンに笑い,泣いた。」と言っても過言ではない程のVGC2019ルールを象徴するポケモンだったと思います。でも,自分はこのポケモンが好きではありませんので,2度と使うことはないと思います(今後,このポケモンを使わないと勝てないルールを作るのは,勘弁して欲しいです)。
2-6.カプ・レヒレ
持ち物:ミストシード
性格:穏やか
特性:ミストメイカー
実数値(努力値):H177(252)-x-B145(76)-C116(4)-D168(20)-S125(156)
技:熱湯/自然の怒り/凍える風/光の壁
調整
H:持ち物のミストシードは,場に繰り出した瞬間に発動するため,ピンチベリーを所持している可能性を残す意味はないのと,奇数にすることで,弱点技を耐える可能性を残すため。
B:最優先事項であるHP,D,Sの努力値を確保してから,残りの努力値をメガレックウザの画竜点睛を耐える可能性を残すために割いた。
C:余り。
HD:
(D+0)
C161カプ・コケコのフィールド補正10万ボルトを確定耐え。
(D+1)
C147カプ・コケコの10万ボルトZのダメージ(65.5%~77.9%)が性格が穏やかで変化する最初の値。C147カプ・コケコの雷を255/256で2耐え。C161カプ・コケコのボルトチェンジ+フィールド補正10万ボルトを255/256で耐え。C201ゼルネアスのフェアリーオーラ補正のダブルダメージC+2マジカルシャインを2耐え。
(D+1かつ光の壁)
C201ゼルネアスのフェアリーオーラ補正のC+2ムーンフォースを123/128で2耐え。C201ゼルネアスのフェアリーオーラ補正のダブルダメージC+2マジカルシャインを3耐え。
S:性格が控えめのカイオーガが拘りハチマキ持ちのA232メガレックウザの画竜点睛を15/16で耐える配分の素早さの最大値(S実数値124)+1。
ミストシード
「この持ち物の強さを説明したいために,この記事を書いた。」と言っても過言ではない程,大活躍した持ち物。この持ち物については,構築経緯の方で余すところなく説明したので,省略。
穏やか
上記の配分を満たすため。
熱湯
ゲンシグラードンやガオガエン,ツンデツンデ等を意識した技。事前に自然の怒りを見せていると,相手の思考から水技が外れていることが多いことを試運転で気付いたことと,基本的に先発に繰り出すことが多いこのポケモンに,相手のポケモンを倒す手段が必要と判断したことから採用に踏み切った(自然の怒り+熱湯で上記のポケモンは基本的に倒せる)。
熱湯では,ゲンシグラードンを1撃で倒せない場合があるが,ガオガエンやツンデツンデの処理を確実に行いたいため,ハイドロポンプは採用せず。
自然の怒り
相性が不利なポケモンに対しても,HPを確実に大きく削る事ができる技。
特に,突撃チョッキ持ち以外のガオガエンに対して,今までは,こちらのジオコントロール使用後のゼルネアスが相手の後続のガオガエンの交代を読んで,ガオガエンが繰り出される方向にムーンフォースを選択する択が発生していた。
しかし,自然の怒りを序盤に打ってHPを半分以下にすることで,C+2のダブルダメージかつフェアリーオーラ補正のマジカルシャインでも倒せるようになり,プレイングに余裕が生まれる結果に繋がった。
ルナアーラに対しても,特性のファントムガードを無視してHPを大きく削る事ができるのが非常に大きい。
凍える風
相手の持ち物の気合の襷やルナアーラのファントムガードを潰しつつ,本来ゼルネアスやレックウザの上から大ダメージを与えるポケモンとのS関係を逆転させるため。
また,ガオガエンの個別解説でも記述してある通り,ガオガエンを動かしやすくするためにも重宝する。
光の壁
特性が威嚇の霊獣ランドロスとガオガエンが入っている自分の構築を見て,相手は特殊攻撃で攻めるプランを取ってくることは自明である。そこで,ミストシード持ちのこのポケモンに光の壁を搭載することによって,相手のプランを崩しにいくため。
この構築のMVPです。開発者には頭が上がりません。今思えば,特殊耐久が過剰であったため,性格を図太いにしても良かったのかもしれません。
3.選出
3-1.vsレックウザ+ゼルネアス
先発
後発
3-2.vsグラードン+ゼルネアス
先発
後発
3-3.vsカイオーガ+レックウザ
先発
後発
3-4.vsレックウザ+ソルガレオ
先発
後発
3-5.vsレックウザ+ルナアーラ(ネクロズマ)
先発
後発
先発
後発
3-6.vsグラードン+ルナアーラ(ネクロズマ)
先発
後発
先発
後発
3-7.vsカイオーガ+ルナアーラ(ネクロズマ)
先発
後発
3-8.vsグラードン+イベルタル
先発
後発
3-9.vsカイオーガ+イベルタル
先発
後発
3-10.vsゼルネアス+ルナアーラ(ネクロズマ)
先発
後発
4.苦手な構築
ほぼ無理だと思います。BO1の対戦なら,催眠一点読みの選出をすれば,何とかゲームにはなるとは思います(それでも勝つのは難しいと思います)。
・1ターン目でカプ・レヒレを倒す術を持っている構築。
構築経緯でも記述しましたが,隣のポケモン(基本的にレックウザ)を無視して,Zワザなどをカプ・レヒレに叩き込まれてしまうと,後のゲームプランに支障を来します。
実際に,PJCS2019本戦で負けた要因の一つとして,カプ・レヒレを序盤に失った対戦がほとんどでした。まだまだ自分が甘かったと突き付けられましたね。
5.WCS2019が終わって
・ルナアーラを食わず嫌いしていたことに後悔
ルナアーラは,ゴーストタイプと悪タイプの2つのタイプが4倍弱点であることに,目がいきがちでありますが,「その2つのタイプ以外は,弱点ではない」という初歩的なことにWCS2019が終わって気付きました。
ゴーストタイプは,ルナアーラ自身でなんとかできる可能性がありますので,WCS2019で優勝したペンギンさんのナモの実持ちルナアーラは,自分がこのルールに対しての考察が甘かったことを突き付けられたような衝撃を受けました。
・禁止伝説のポケモンを変更するという考え
WCS2019で準優勝した構築(グラードン+イベルタル)を見たときに,改めて自分の構築のレックウザとゼルネアスが浮いているように感じました。滅びの歌展開の時に厳しかったエスパータイプやトリックルームは,確かにグラードンとイベルタルの2体で解決できますので,もう少し広い視野を持たないと今後のVGCルールで戦っていくことができないと感じました。
6.Special Thanks
原案を作って下さった方:ちなみに,WCS2019に出場されている方です。
ゆとりさん:特性がせっかちのレックウザを提供。
ジュニオさん:ゼルネアスの配分案。
さきえさん:ゲンガーの配分案。
shinさん:第39回がにゅーオフで,2枚威嚇の強さを教えて下さった。
ここまで見て下さってありがとうございました。