VGC2020総括
ブログでは,お久しぶりです。
VGC2020は,皆さんの応援やご協力もあり,「PJNO2020準優勝」,「PJCS2021出場権獲得」という満足のいく成績を残すことができました。ありがとうございました。
上記の成績より自分は,皆さんから順風満帆なシーズンであったと思われていそうですが,冗談抜きでVGC2020ルールは,一番苦手なルールでした(その理由は,後述)。
そこで,VGC2020シーズンにおいて,どのような取り組み方や意識を持って,この状況を打開していったかを,今後の自分や同じような経験を味わった方への参考となるように書きましたので,最後までご覧頂けると嬉しいです。
目次
1.シリーズ1~2
まず,最初に取り組んだことは,「自分を知る」ことでした。
つまり,今までどのようなジャンルの構築を使ったり,プレイングをしたりしたら,勝率が高かったかという成功体験を8世代でも生かそうと考えました。
自分は,PJCS2018ベスト16という成績を残したパワープレーガルーラスタン等の「高火力ビートダウン」構築や初めてPJCS予選を突破した瞑想クレセ+シードカグヤ等の「要塞化して詰める」構築を好んで使用する傾向があると分かりましたので,8世代における「高火力ビートダウン」構築は「リザードン+エルフーン」,「要塞化して詰める」構築は「アーマーガア+タルップル」ではないかと推測しました。
「これで,PJCS2020の権利はもらったな。」と,当時は思っていましたが,そう簡単にうまくいかないのがポケモンというゲーム。8世代の新要素である「ダイマックス」が壁となって立ちはだかります。
単刀直入に言うと,「ダイマックス」という要素は,自分が今まで勝ちを積み上げてきた「高火力ビートダウン」構築と「要塞化して詰める」構築を否定するものでした。
まず,「高火力ビートダウン」構築について,ダイマックスによるHP増加により,1撃で倒すことが難しくなったことと,Z技やメガシンカとは違い,誰でもダイマックスする可能性があることから,生半可な攻撃となり,返り討ちに遭ってしまうことが予想されます。
そして,「要塞化して詰める」構築について,ダイマックス技使用後のバフとデバフによって,受けが成立しないことが予想されます。しかも,ダブルバトルでは,ダイマックス技の使用者や被弾者の隣のポケモンにもバフ及びデバフがかかるため,尚更厳しいです。
このことから,ダイマックスによって自分が8世代で勝つ術を失ってしまい,2020 International Challenge February(以下,2月INC)で,バンギラス+ドリュウズ構築を見よう見まねで使用し,当然のように惨敗しました。
2.シリーズ3
2-1.先人の知恵を借りる
2月INCは,「枠にとらわれていた」ということを反省としてあげました。実際に,自分が扱うのを避けてきた多くの構築がPJCS2020(後のポケモン日本一決定戦2020予選)の出場権を獲得していました。
このことから,シリーズ序盤は,自分が扱うのを避けてきた構築を使って,「何故勝てているのか」を肌で感じることで,未だに7世代以前の感覚に固執している自分の考えを叩き直そうと考えました。
使用したのは,カ・エールさんのミロサマヨ(レンタルチームを公開していらっしゃったので,本当に助かりました)。自分が苦手としている「トリックルーム」と「ドラパルト」と「サマヨール」が入っている構築です。何十戦か対戦してみて,ダイマックスポケモンとS操作(今回は,トリックルーム)の並びを同時に対応することがほぼ不可能であることと,ドラパルトのダイマックスプランとミロカロスのダイマックスプランに同時に対応できることがほぼ不可能であることがこの構築の一番の強みであると理解しました。
この構築をベースにシリーズ3を戦うという考えもありましたが,ミラーの多発を嫌ったことと,フシギバナの眠り粉でしかこの構築を止められないと判断したプレイヤーが続出したことから,リバティノートに寄稿したエレメンタルリザピッピを作る流れとなりました。
ここからは,重複するところもありますが,リバティノートに書かれていないことを中心に書いていきたいと思います。
この構築のキョダイリザードンとミミッキュの並びを対応することがほぼ不可能であることと,リザードンに有利なバンギラス+ドリュウズ構築やセキタンザン構築等のメタとして,ウォッシュロトムとローブシン(後のゴリランダー)を裏選出に据えることは,カ・エールさんのミロサマヨ構築とほぼ同じコンセプトです。そこに,ピッピを加えることによって,各ポケモンに対するヘイト(負担)が分散し,任された役割を果たしやすくなりました。
このピッピの強さを自分に気付かせて下さったのが,バルドルさんのリザガアピッピとアンセナさんのインテバニラピッピの記事です。本当にありがとうございました。
2-2.PJCS2020の出場権を獲得するために
エレメンタルリザピッピの約8割は,この時点(2020年3月中旬)で完成しており,プレイングを煮詰めることができれば,2020 International Challenge April(以下,4月INC)で上位30位に入ると確信しました。
この時点で,一番やってはいけないことは,構築の情報が4月INC前にバレてしまうことだけでしたので,身内とのフレ戦やオフ会(南白オフ),ランクバトルであえて3桁台をキープすることで(予選を兼ねたインターネット大会で1位を目指す意味は薄いし,自分より下のレートの人にいかに取りこぼさないかを重視しているためです),プレイングを磨きながら情報バレをケアしつつ4月INCに臨むことができました。だから,オフで使った構築バラされるの本当にやめて欲しいのですよね。結局,南白オフの結果が不甲斐なかったので,サブロムで沢山潜ってしまったのですが・・・。
2-3.環境の変化に惑わされない
2-2での策が見事にハマり,4月INCでPJCS2020の出場権を獲得・・・,と言いたかったところなのですが,4月INCの結果が発表される前に,PJCS2020の中止と4月INC入賞者の権利剥奪という衝撃的なニュースが飛び込んできます。
後に,リバティノート様がオンラインでの全国大会(後のPJNO2020)を開催するという嬉しいニュースも飛び込んできますが,この時期からパッチラゴンと厚い脂肪カビゴン,速いドサイドンが環境に蔓延し始めます。自分は,情報を隠し通していたので,恐らく何かのメタに巻き添えを食らってしまう最悪の展開です。
この時点で,一番やってはいけないことは,「無理に環境を追いかけること」だと考えています。構築を無理矢理環境に合わせてしまうと,元々の強みすらも失ってしまう危険性があります。なので,自分は「環境が変わることを待つ」という行動を選択しました。上手く言語化できなくて申し訳ないのですが,例を挙げると,セキタンザン構築が特に強い時期(ギミック発見時の12月とメタが薄くなった4月と8月)とそうではない時期があったように(あくまでも個人的な見解です),VGC環境が一周するスピードの速さに注目しました。
その行動のメリットとして,他の構築を試す時間の確保があります(実際に,VGC2018において,ボーマンダ構築を使って成功しています)。逆に,その行動のデメリットとして,慣れないプレイングを要する構築を試す訳ですから,ただ時間を浪費してしまう危険性がありますが,自分の成功体験を信じました。この時間を使って,エレメンタルリザピッピでは,勝てないと判断していたひろきんぐさんのドラパバンギ構築を使っていました。
3.シリーズ4(PJNO2020)
2-3での策も見事にハマり,シーズン6で高い勝率でレート2000に到達することができました(PJNO2020で勝つことが最優先なので,ここでも構築バレをケアするために,上位を目指すのはグッと堪えます)。
しかし,速いドサイドンに瞬殺されたり,厚い脂肪カビゴンに嫌がらせされたり等,まだまだ不安要素は残っていたところに,リベロエースバーンとグラスメイカーゴリランダーの解禁,鎧の孤島の配信からグラススライダーの登場により,「アニメのご都合展開か?」と言わんばかりに,不安要素が全て消し飛んで,PJNO2020は準優勝という自分では出来過ぎなくらいの結果で終わることができました。
ちなみに,準決勝の2戦目でバンギラス+ドリュウズ構築に対してリザードンを選出した理由についてなのですが,4月INCで構築を共有していたあへあへさんに「リザードンを選出しても勝てるのではないか?」というアドバイスを頂き,それを信じてリザードンを選出したところ,準決勝の対戦も含めてバンギラス+ドリュウズ構築に2戦2勝することができました。本当に,ありがとうございました。
折角なので,マッチングを書いておきます(敬称略)。
Day1(5-2,11-7)
R1 カキ・クケコ (×〇〇) W(2-1)
R2 わいぽん (×〇〇) W(2-1)
R3 ファイツ (××-) L(0-2)
R4 くにのり (○○-) W(2-0)
R5 天音 (×〇〇) W(2-1)
R6 リンヤ (○○-) W(2-0)
R7 ネイティオ? (×〇×) L(1-2)
Day2(4-1,9-3)
Top32 がぶmasa (〇〇-) W(2-0)
Top16 ネイティオ? (〇〇-) W(2-0)
Top8 てるるん (〇×〇) W(2-1)
Top4 じーん (○○-) W(2-0)
Final キヌガワ (〇××) L(1-2)
Total(9-3,20-10)
準決勝(4:35:34~)と決勝(8:25:58~)の対戦が配信されています。
https://www.youtube.com/watch?v=Bge1UtJ4tTo&t=30358s
キヌガワさん視点での決勝戦1本目
キヌガワさん視点での決勝戦2本目
キヌガワさん,3本目の動画はまだですか・・・(小声)
4.シリーズ5(ポケモン日本一決定戦2020本戦)
4-1.地獄のシリーズ5開幕
シリーズ5は,エレメンタルリザピッピを長らく使用していた身にとって,地獄のシーズンでした。そう考えた理由は,大きく分けて3つあります。
1つ目は,キングドラとテラキオンの解禁により,リザードンの上から弱点を突くポケモンの増加です。このことに関しては,同じく解禁されたキョダイフシギバナを使用することで解決できるのですが,フシギバナをキョダイマックスさせると,当然リザードンがキョダイマックスできませんので,ダイマックス前提の技構成(ブラストバーンと守る無し)が使用し辛いということです。個人的に,命の珠持ちキョダイリザードンのダイアース(威力120)で,突撃チョッキ持ち以外のガオガエンを倒すことだけは,どうしても譲れなかったので,火力が控えめなフシギバナに命の珠を持たせられないのも厳しいです(ポケモン日本一決定戦2020で優勝されたシャンディさんのリザバナウーラオス構築の達人の帯持ちのフシギバナには,感銘を受けました)。
2つ目は,ウォッシュロトムの置物化です。モロバレルやキョダイフシギバナの解禁,ゴリランダーの使用率の高さにより,貴重な電気打点と水打点を失ってしまいました。これにより,今まで対等に戦えていたバンギラス+ドリュウズ構築やセキタンザン構築に不利を取ってしまいます。
3つ目は,ミラーの増加です。これが一番の理由で,前の2つの問題点を解決するだけでも厳しいのに,ミラーへの対応を構っている暇なんてありません。
以上より,鎧の孤島環境のリザードン構築に魅力は感じつつも,今の自分では上手く扱うことができないと判断し,使用を断念することになりました。
4-2.逆境だからこそ,焦らずそして冷静に
シリーズ1~2と同様に,振り出しに戻ってしまいました。また,7月の前半の2週間は,実生活の関係で考察や対戦する時間がありませんでした。しかし,それを言い訳にしてしまうのは,絶対に嫌だったので,逆境の中でも何か手は無いかと模索し始めます。
まず,もう一度初心に帰って「自分を知る」ことで,何かヒントを掴もうと考えました。自分は,PJCS本戦やWCSが懸かった大会において,同速勝負が多発するポケモンを好まないことをふと思い出しました(例:VGC2020だとドラパルトとドリュウズ,VGC2019だとルナアーラとグラードンとカイオーガ)。しかし,シリーズ5の環境を考察していく中で,エースバーンとトゲキッス,ポリゴン2等のドラパルトとの殴り合いに強いポケモンが増加しているように感じました。そこで,「今ならドラパルトの同速勝負が発生し辛いのではないか?」という予測を立てました。
ここで,シリーズ3の序盤で使用したカ・エールさんのミロサマヨ構築とシリーズ4の終盤からシリーズ5の序盤にかけて使用したひろきんぐさんのドラパバンギ構築の経験が生きることとなり,何とか首の皮1枚繋ぐことができました。
5.最後に
いかがだったでしょうか。
VGC2020は,自分を極限まで苦しませた嫌なルールではありましたが,あらゆる手を尽くして,何とか乗り切ることができました。今思えば,自分の可能性を広げる必要なシーズンだったのかもしれません。
もちろん,今回たまたま上手く噛み合っただけで,次はないと考えています。なので,VGC2021では,苦しむことがないように準備をしっかりしていきたいと思います。
ここまで,ご覧頂きありがとうございました。