Kohei's brain

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カイオーガ+レックウザ構築と共に歩んだVGC2016

 

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0.始めに

 自分が,なぜ,この構築にたどり着き,一時は大きな挫折を味わったのにもかかわらず,最終的に信じて使い続けて正解だったという話を過去を振り返りながら記述していきたいと思います(予め,忠告しておきますが,ものすごく長いです)。

 

1.VGC2016ルール発表以前(Generation Showdown,燃えよ!ドラゴンタイプ!,サークル・オブ・レジェンド )

 Generation Showdownでは,後投げから終わりの大地で天候を奪ってくるゲンシグラードンに対し,トリックルーム下で自分のクレセリアが自分のゲンシカイオーガスキルスワップで天候を奪い返し,根源の波動で処理するという現在ではあまり決まることはない単純な戦法でも普通に決まってしまう程,お祭り感覚の大会だったと思われます。上記よりゲンシグラードンを完全に舐めていたので,この大会はカイオーガ+ディアルガ構築で挑みました。

 燃えよ!ドラゴンタイプ!でもGeneration Showdownと同じくカイオーガ+ディアルガ構築で挑みました。この時,ディアルガの火力が足りないことに気付き始め,現在のディアルガに対するヘイトがとてつもなく強い自分に至ります。

 サークル・オブ・レジェンドは,ローテーションバトルの大会ではありましたが,重力+地面技が禁止伝説や準伝説の多くに等倍で入ることやゼルネアスのジオコントロールによる能力上昇の強さに改めて気付いたことが大きな収穫でした。

 

2.ジャパンチャンピオンシップス(JCS)予選で戦う構築の基盤の決定(グロリアクラシック第4~6回予選)

  VGC2016ルール発表直後のグロリアクラシック第4回予選でグラードン+カイオーガ構築,第5,6回予選でトゲキッスに対し,自分の能力では上手く扱えないだろうと見切りをつけて,対戦相手のメガレックウザの破壊力に魅力を感じたので,レックウザを軸とした構築でVGC2016ルールを戦い抜くと決めました。既に,色違いの実質両刀の理想個体を所持していたことと,XYの頃のインターネット大会のポケモンバトルレジェンドやホウエンポケモンニコニコマッチの名残でカイオーガ+ルンパッパ構築等の天候依存の特性のポケモンが少なからず存在していた(後にワタッコが環境に出てき始めたのは追い風でした)ので,それらをシャットアウトするために役立つことも要因でした。

 この時点で,ドーブルや2連守るによる個人的なヘイトの強さとレックウザの同速ミラーのケア,レックウザとの攻撃的な相性の良さからマニューラ,当時はゼルネアスが最強なことから,ゼルネアスの攻撃を余裕で耐えて,一撃で倒すまたは致命傷を負わせられるポケモンが必須で,気合の襷を持たせない限り,格闘タイプは採用し辛い環境だった(WCS2016の優勝構築にカポエラーが入っているのを知った時は衝撃でした)ので,加えてカイオーガにも一撃で倒すまたは致命傷を負わせられるポケモンであるナットレイを構築に組み込むのに真っ先に確定しました。

 ゼルネアスを構築に使用する側としては,技範囲と耐性による縦と横の相性の抜群の良さから一緒の構築に組み込まれやすいゲンシグラードンの炎技でナットレイがおまけ感覚で処理されると考えたので,そのケアとしてゲンシカイキにより強い雨を降らせることが出来るゲンシカイオーガを採用することを決めました。

 これで,自分の考えるカイオーガ+レックウザ構築の基盤が完成し,以降,構築の残りの2体を探すための終わらない研究が始まりました。

 

3.カイオーガ+レックウザ構築の残りの2体の考察(2016 インターナショナルチャレンジ January,グロリアクラシック本選,カタリナさんのクロバット+ゲンガーの記事)

  環境初期に一般枠では,全国ダブルでも良く見られるエルフーン+ゲンガー始動の構築や多くのポケモンのHPを攻撃を重ねることで75%以上削り,裏の先制技持ちのポケモンで縛るという単純にして厄介なプレイングをすることが出来るマニューラ+クロバット始動の構築が流行していました。

 マニューラ+クロバット始動の構築のマニューラの持ち物は絶対に命の珠ではないといけないのですが,この環境でクロバットがほとんどの確率で1回は行動出来ること,マニューラクロバットを共に構築に入れることで技構成や持ち物等の偽装が出来る(マニューラを先発に繰り出すのなら隣はレックウザを繰り出すし,相手のポケモン削るよりかは破壊したいという自分のプレイング論により,マニューラ+クロバット先発で繰り出すつもりは全く考えていなかったのも大きな要因)こと,環境史上最も厄介なドーブルゼルネアスに対して「当時は」安定した行動が出来ることを評価してクロバットを採用することに決めました。

  また,この環境は天候の奪い合いが目まぐるしく,その手段うちの1つである交代を封じることが出来る影踏みという特性に魅力を感じました。周りの5体の相性(追い風や素早さの種族値の高さ等)とノーマル技無効(メガシンカ前は地面技無効),ゼルネアスに致命傷を負わせることが出来るヘドロ爆弾を一致技で使用することが出来るゲンガーを第2のメガシンカ枠として採用することに決めました。

 こうして構築の6体が決まり,PGLのインターネット大会の2016 インターナショナルチャレンジ Januaryに臨みました。参加する前は多少の自信がありましたが,蓋を開けてみると無残な結果に終わりました。その原因の一つとして,クロバットに挑発を入れたことにありました。主に,ドーブルダークホールゼルネアスのジオコントロール,クレセリア等のトリックルーム等を「上から」挑発を打つことで阻止出来る強さがありますが,特にゼルネアスと同じ構築に組み込まれやすいファイアローに先に追い風を打たれ,クロバットの挑発の「上から」ジオコントロールをされて無双されて負けるという試合が目立ちました。極端に言えば,クロバットは,ゼルネアスをほぼ機能停止させるために構築に採用したポケモンで,その役割が果たせないなら,むしろ邪魔だと本気で感じたので,ゼルネアスにジオコントロールを決められても特性により「上から」縛ることが出来る可能性がある拘り鉢巻持ちのファイアローを代わりに採用することに決めました(上記の大会で拘り鉢巻持ちのファイアローの火力を痛感させられたのも大きな要因)。また,素早さを最速エルフーン抜きにすることで,流行りのエルフーン+ゲンガー始動の構築にマニューラ+ファイアロー先発で大きな圧力をかけられるのもとても魅力を感じました(フェイント+ブレイブバードで確実にエルフーンを倒すプレイングを教えてくれたトリプルバトルに感謝)。今,改めて考えると,この他にも改善点があるのですが(詳細は後述),当時の頭が悪い自分にはクロバットを見つけるだけで満足してしまいました(恐らく,ここがJCS予選を抜けることが出来たか,出来なかったかのターニングポイント)。 (ミス1)

 こうして,自信を持って,この構築をグロリアクラシック本選に持ち込みました。前述より予想はつくとは思いますが,惨敗でした。その原因は,まさかのクロバットの代わりに採用したファイアローでした。確かに,役割を果たせる場面は現にありましたが,所詮,「単体攻撃」なので,隣のポケモンまで構っている余裕はなく,数値の高さで押し返されて負ける試合が目立ちました。そして,改めてゼルネアスの強さを思い知らされた大会でもありました。

  大会後,再びゼルネアスをほぼ機能停止にすることが出来るポケモンを探しに研究を続けていたところ,カタリナさんのクロバット+ゲンガーの記事がTwitterを経由して自分の目に行き渡りました。その記事を拝見して,自分は大変感銘を受け,再び構築にクロバットを採用することに決めました。また,前述から,自分が挑発に対しての信用が皆無だったので,技構成のあと1枠を探していたところ,その時期と同時に,黒い霧の存在を偶然知りました。ジオコントロールを事前に止めるのではなく,パワフルハーブを無駄に使わせるという発想の逆転を評価して,挑発の代わりに採用することを決め,クロバットの技構成が完成しました。そして,ボーマンダの処理がマニューラだけでは不足していると感じていたので,カタリナさんの記事を参考にしてゲンガーのシャドーボールをめざめるパワー氷に変更して採用しました(ミス2)。この変更が今世紀最大の愚かな行動であることに気付かなかった時点で自分は愚かでしたね。

 

4.JCS予選で使用する構築の完成(ORASリーグシーズン14スペシャルレート,ポケ劇予選)

 ORASリーグシーズン14スペシャルレートでは,あらゆる構築に対して,想定していた解答通りのプレイングが出来,80%オーバーという素晴らしい勝率でレート1900に到達し,再び自分に自信が持てた最高のシーズンになりました。

koheibrain.hatenadiary.jp

 ただ,このシーズン中にディアルガが増え始めたことが唯一気になりました。その理由として,そのシーズンのレート2000超えの1位とグロリアクラシック本選の優勝者が共にディアルガ入りのPTを使用していたことと,グラードン+ゼルネアス構築の対策としてカイオーガ+レックウザ構築が大量発生したことにあると思われます。1よりディアルガカイオーガ+レックウザ構築以外には勝てなく,ディアルガを構築に採用して優秀な成績を残せる人は,プレイングの次元が桁違いであると考え,JCS予選の頃には絶滅していると断定してこのことは無視しました(カイオーガ+レックウザ構築の方も100%負けるわけではないので,仮にマッチングしたとしても,プレイングが噛み合えば50%で勝てると判断)。

 そして,この時期に最速メガガルーラの捨て身タックルを255/256で耐える調整のBS振りのクロバットの存在を知り,自分のクロバットもこの配分に変更しました(ミス3)。

 こうして,自信を持っておやつさん主催のポケ劇予選に参加しました。ダブルイリミネーションによるトーナメントで,事故や運要素を引いても1回の負けは許されるので,非常に魅力的な大会だと感じました。結果はWinnersトーナメントは拘りスカーフ持ちのドーブル,Losersトーナメントは拘りスカーフ持ちの特性が静電気のサンダーに破壊されて負けました。この時に,自分の強さを過大評価してしまい,これらのポケモンを事故だと割り切って,無視してしまったことも最大の汚点でした(ミス4)。

 

5.JCS予選期間

  今考えれば,ポケ劇予選の反省を全く生かしていない状態でJCS予選に臨んだと思います。結果は最高レート1720程度の惨敗でした。この時に,今まで見過ごしていたり,勘違いしていたりしたミスの積み重なりが招いた結果だとやっと気付きました。

 A.ミス1について

 ナットレイの火力不足を若干感じながらも,変更しなかった点です。上記の記事でゲンシグラードンの断崖の剣を意識した物理耐久調整を施していました。これが大きな間違いで,そもそも環境的にA特化のゲンシグラードンは存在しないと断言出来る(A特化してもダブルダメージ断崖の剣で無振りのゲンシグラードンすら1発で倒せないので,Aを削って耐久調整を施した方が当然良い)こととドータクンクレセリア等の重力によるサポート以外なら命中不安が気になる技(2連続で当たる確率は約72%)なことと上記の配分では無振りのゼルネアスでさえも確定で倒せないことにより,性格補正を攻撃に充てる(勇敢にする)べきでした。

B.ミス2について

 上記の記事でも書いてありますが,はっきり言って本当に愚かでした。結果論になりますが,この時点で,既に流星群を搭載しているボーマンダが全滅(ハイパーボイス,捨て身タックル,追い風,守るor吠えるの性格がせっかちのCS振りの個体がほとんど)しており,レックウザを一撃で倒すことが出来ないこととカタリナさんの記事により,多くの人にクロバット+ゲンガー始動の構築のゲンガーにめざめるパワー氷が搭載されていることを熟知されていた(丸パクリした自分が悪いので,カタリナさんを責めているわけではないです)ことと,仮にめざめるパワー氷を当ててボーマンダを倒したとしても,グラードンに対しての有効打がクロバット+ゲンガーの並びでは,皆無に近い(めざめるパワー氷でボーマンダを倒したら必ずと言っても良い程,相手は即決でグラードンを出してきます)ので押し返されて負けることにより,絶対にシャドーボールを入れるべきでした。

C.ミス3について

 結果的に,2016 インターナショナルチャレンジ Januaryで経験したミスを繰り返してしまいました。クロバットの配分を極端にBに寄せ過ぎて,特殊耐久を疎かにしてしまったことで,役割対象のゼルネアスのC+2マジカルシャインをダブルダメージでさえも確定2発の脆さの個体になってしまいました。また,1ターンでA+2に能力を上昇することが出来ることによりヘイトを集めやすく,かつ反動ダメを生じないグロウパンチ+恩返し(八つ当たり)搭載のガルーラがこの時期に大量発生したので,物理耐久に努力値を割く必要性に疑問を感じ始めました。この環境では,特に,役割対象に曖昧な解答を持つことが禁物であると,今更ながらも気付かされた大会でもありました。

D.ミス4について

 実際にマッチングしました(2,3回程)。キレました。

 

今までレート等で対戦したクロバットキラーの拘りスカーフを持ったポケモンリスト

サンダー,ボルトロス,フーディン,ルージュラ,ラティオス

(ラティオスは明らかに拘りスカーフを持っていると思えたので,倒させずに済みました)

 

 6.JCS予選の反省を生かして(2016 インターナショナルチャレンジ June,BO3杯,World Cup of VGC 第一回日本代表選考大会)

(最終確定ではないので,努力値配分,実数値表記等のまとめは7で記述)

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 5-Aから,ナットレイの性格を勇敢に変更(配分の変更は無し)。

 5-Bから,ゲンガーのめざめるパワー氷をシャドーボールに変更。また、身代わりを鬼火に配分を下記の通りに変更(詳しくは後述)。

 

 努力値:0-x-28-252-0-228 実数値:135-x-84-182-95-174→135-x-104-222-115-196

 

 5-Cと5-Dから,クロバットの配分を下記の通りに大幅に変更。

 

 努力値:36-0-0-x-236-236 実数値:165-85-100-x-130-198 (A0個体)

 

 配分の意図は以下の13項目

 (他にも探せば色々見つかるとは思いますが,覚えている範囲だけ記述)

①C実数値177(主に最速ボルトロスやサンダー)までの威力90の一致技弱点を確定耐え

②C特化ボルトロスやサンダーの10万ボルトは中乱数(56.3%) 

全国ダブルのH4振りメガガルーラへの拘りスカーフ持ちのA特化霊獣ランドロスの馬鹿力が43.7%で落ちるので,そのような感覚で割り切っていました(まぁ、この配分に変更した途端にクロバットキラーが全滅したので問題無し)。

③C特化ゼルネアスのC+2ダブルダメージマジカルシャインを確定2耐え

④最速ゲンシグラードンの晴れ補正込みダブルダメージHPMAX噴火を中乱数(37.5%)

⑤C特化ゲンシグラードンの雷を低乱数(12.5%)

⑥最速メガボーマンダのダブルダメージハイパーボイスを確定2耐え

⑦命の珠持ちメガレックウザの無補正C4振り流星群を中乱数(37.5%)

⑧C特化ゲンシカイオーガの雨補正込みダブルダメージ根源の波動を確定耐え

⑨C特化ゲンシカイオーガの冷凍ビームを確定耐え

⑩C特化ゲンシカイオーガの雨補正込み熱湯を確定耐え

⑪HC極振りゲンシカイオーガへのメガゲンガーのヘドロ爆弾またはシャドーボールが最低ダメージでも,根源の波動の火力を下回る(ヘドロ爆弾だと威力104,シャドーボールだと威力108)ため,雨補正込みダブルダメージ潮噴きを確定耐え(ちなみに,威力112,つまり,HPが小数点切り捨てで74%以下にすれば確定耐え)

⑫③と⑥を合わせられても確定耐え

⑬C特化クレセリアのダブルダメージ凍える風+サイコキネシスを15/128(約11.7%)

 

 当時は,「事故には事故を」という対抗心で②だけを意識していましたが,ダメージ計算をしてみると,他の12項目が出てきたので偶然の産物でした(今では,②を除いた実質12項目)。自分と対戦した人は,クロバットのBS振りが当たり前のセカイを生きているので,パラレルワールドに生きている自分を改造だと思ったに違いないでしょう(正直,最初にこの配分を発見した時,自分でも頭おかしいと思いました)。

 すっかり脆くなってしまった物理耐久は,ゲンガーの鬼火で補うことで,最強の耐久クロバットを完成させることに成功しました。

 ちなみに,最速ではない理由は,上記の耐久の乱数をズラしてまで最速にするメリットが全くない(「同速勝負に勝ったところで,だからどうした」という技構成である)ので,自分のメガゲンガー+2にしています(上昇補正の関係で実数値197は不可能)。

 しかし,この考えでは,気になることが3点あります。

A.ファイアローゲンシグラードンに鬼火が効かない
 自分も環境初期からそれを特に気にしており,鬼火はガルーラピンポイントの事故技であると決めつけていました。しかし,ピンポイント技を採用せざるを得ない程,ガルーラは厄介なポケモン(WCSでも鬼火ファイアローやゲンガーがいましたね)だったので,疑問に感じながらも採用して使用してみたところ,想像以上に刺さり,ゲンガーの鬼火は必須技であると感じました。また,ゲンガーの配分の変更について,CとSはこれ以上削ることが出来ないので,残りの努力値を全てBに振り,火傷したメガガルーラの不意打ちのダメージを出来るだけ少なくするようにしました。

 ゲンシグラードンについては,晴れ補正を無くせば,炎のパンチを確定で耐えることが出来るので,ゲンガーのメガシンカのタイミングやカイオーガまたはレックウザの特性を利用して乗り切ることにしました(もちろん,怒りの前歯+シャドーボールゲンシグラードンに重ねて倒したり,仮に,耐えられてもレックウザの神速圏内に必ず入っているので,どちらの動きをしても劣勢になることはないと思います)。

 ファイアローについては,色々なパターンを考えましたが,択に勝つ以外の方法が見つかりませんでした(でも,変更前よりは遥かに良い勝負が出来ています)。BO3(マッチ戦)なら,情報を引き出して,2戦目以降は強気に動かせる場合があります。

B.身代わりを切ったことによるドーブルダークホール耐性の低下

 クロバット+ゲンガーを見て,ゼルネアス+ドーブルを先発に繰り出してくる人は激減しましたし,仮に,繰り出してきたとしても,ゲンガーが身代わりを搭載していることと,クロバットが挑発を搭載していることの可能性を考えると,拘りスカーフ持ちのドーブル以外は初手からダークホールを打たないと考えています。

 それでも,ドーブルが先発に繰り出された時は,拘りスカーフ持ちの事故であると当時は考えていました(後に考えが改まります)。

C.鬼火の命中率
 当たらないと全てのプランが崩壊するので,考えないことにします。

 

 こうして,JCS予選から大幅な変更をして,2016 インターナショナルチャレンジ Juneに臨みました。マッチング当時,レート1750程のグラードン+ゼルネアス構築の使用者2人に対して安定して勝利し,成長を見せたものの,レート1700帯の他の構築に対してなかなか勝てなく,プレイングスキルの低さを痛感した,とても価値のある大会でした。

 この構築に希望を見出した時には,自分が参加出来る公式大会は終わってしまい,VGC2016ルールのスペシャルレートも終盤に近づいていたので,「改良した構築で結果が出せないまま,自分のVGC2016は不完全燃焼で終わってしまうのか・・・」と途方に暮れていた矢先,ジュニオさん主催のBO3杯の存在をTwitterで知りました。さらに,WCSに出場する人や海外の人も参加するとてもレベルが高い大会がWCSまでの期間に毎週行われることを知り,自分の構築がどこまで通用するかを確認したかったり,BO3のスイスドローの5回戦ということもあり,プレイングの勉強には十分な対戦量だと考えたので,迷わず参加を決意しました。BO3杯には計5回参加し,戦績は全ての大会で3勝2敗と,自分の能力では,勝ち越すことで精一杯ではありましたが,豊富な対戦量と大会終了後に対戦して頂いた方とTwitterを介してのアドバイスや感想で,自分のプレイングスキルを磨くことが出来たので,ジュニオさんには大変感謝しています。

 BO3杯で鍛え上げたプレイングスキルを自信に代えて,World Cup of VGC 第一回日本代表選考大会に臨みました。BO3杯で沢山練習していたこともあり,相手のポケモンの情報の引き出しやアドバンテージを取られて劣勢な状況に陥った時,「BO3だからこそ出来る1戦は落としても良い動き」のやり方を理解していたので,どの試合もギリギリの勝負でしたが,なんとか勝ち進み,最終的に優勝することが出来,日本代表の権利をこの構築で掴み取りました。

 優勝した直後に構築のポケモンTwitterに公開しましたが,「なぜ,クロバット+ゲンガーを入れた構築で勝てるのか」と疑問に思った方が多いと思われます。クロバット+ゲンガーは,初期案からもう既に結論で,改良の余地がないだろうという思い込みが脳裏をよぎったのだと考えます。

 あの日,自分は,皆さんの見ている「セカイ」を変えることに見事成功し,これ以上にない満足感に浸っていました。

 

7.構築をより確固たるものへ(World Cup of VGC,グロリアオンライン)

 World Cup of VGCの日本チームの通話の中で,クロバット+ゲンガーにも拘りスカーフ持ち以外のドーブルが先発で繰り出せる可能性があることを同じメンバーのYTさんに教えてもらい,そのお蔭で,グロリアオンライン2で1戦拾い,4位になることが出来ました。
 また,グロリアオンライン2の対戦の中で,クレセリアに対してより厚くする必要あると感じたので,クロバットの配分を下記の通りに変更しました。

 

 努力値:20-0-0-x-252-236 実数値:163-85-100-x-132-198 (A0個体)

 

 この配分にすることで,6-①~⑫のほとんどの乱数が変わらずに(どれか1つの項目にズレが生じますが,忘れました),6-⑬が19/256(約7.4%)の低乱数になるので,沢山対戦する大切さを改めて知りました。

 そして,グロリアオンライン5でクロバットの耐久がもう少し欲しいこととドーブルについては拘りスカーフ持ち以外はクロバット+ゲンガー始動でダークホールを打たせないように出来る絶対的な自信があることから,さらに改良出来ると感じ,以下の結論に至りました。

 (上記の記事と重複する内容は省略している場合があります)

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ゲンガー@ゲンガナイト 性格:臆病 特性:浮遊→影踏み

努力値:0-x-28-252-0-228 実数値:135-x-84-182-95-174→135-x-104-222-115-196

技:ヘドロ爆弾 シャドーボール 鬼火 守る

 

 実際に使ってみて,やはり,ゲンガーにシャドーボールは必須技であることが良く分かりました(交代読みやヘドロ爆弾ではあまりダメージが与えられないポケモンへの打点の確保に非常に優秀)。たまに,ゲンシグラードンを意識して,メガシンカせずに攻撃する場合があるので,メガシンカ前の火力や耐久を頭に入れておくのも怠りませんでした。

 また,メガガルーラに噛み砕くを入れて,ドータクン対策の巻き添えを食ってしまうことがあり,自分はドータクンに対して非常な憎しみを抱いています。

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クロバット@オボンの実 性格:臆病 特性:精神力

努力値:20-0-0-x-252-236 実数値:163-85-100-x-132-198 (A0個体)

技:怒りの前歯 追い風 ファストガード 黒い霧

 

 「ついに,壊れてしまったか・・・」と思われている皆さん,安心してください。壊れていないです。

 オボンの実を持たせることで,A特化メガガルーラの恩返し(八つ当たり)を確定で耐えることが出来,最速メガガルーラの捨て身タックルを49/256(約19.1%)の低乱数に抑えることが出来ます(A特化なら高乱数で落ちますが,メガシンカ前のレックウザの上を取ることが出来ないことが確定するので,少しのディスアドバンテージで済みます)

 また,C特化ゼルネアスのC+2のムーンフォース→C+2のダブルダメージマジカルシャインを15/256(約5.8%)の超低乱数(オボンの実の効果上,攻撃の順番が逆では不可能)なので,クロバットにC+2のムーンフォースを2回誘わせることが可能になります(黒い霧や追い風を考慮してしまうと)。その他,色々な重ね攻撃を耐えるでことが出来ますが,6で結構記述したので割愛します。

 これが,VGC2016ルールで最強のクロバットだ!!!

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カイオーガ@藍色の珠 性格:控えめ 特性:雨降らし→始まりの海

努力値:172-x-236-84-12-4 実数値:197-x-140-198-162-111→197-x-140-231-182-111 (31-x-31-29-31-31個体)

(理想個体ならH196B220C76D12S4振りにしていました)

技:潮噴き 根源の波動 冷凍ビーム 守る

 

 この構築で心残りがあることを挙げるとすれば,このポケモンの耐久調整が自分の中で結論に至らなかったことです。もっと対戦や他の人と考察するべきであったと思います。

 技については,命中不安が気になるところではありますが,ゲンシカイオーガのHPが少ない状態でも相手のポケモン2体に大ダメージを与えないといけない場合がこの構築では目立つ(プレイングでなんとか少なくしたいところではありますが・・・)ので,根源の波動を採用しています。

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レックウザ@命の珠 性格:無邪気 特性:エアロック→デルタストリーム

努力値:4-252-0-0-0-252 実数値:181-202-110-170-99-161→181-232-120-200-108-183 (31-31-30-30-31-31個体)

技:画竜点睛 神速 オーバーヒート 守る

 

 この環境で最強の単体性能を持つポケモン。このポケモンは,クロバット+ゲンガー始動の選出以外はマニューラと共に先発で繰り出すことが多く,序盤から相手のポケモンの頭数を減らして数的有利なプレイングを出来るだけ行いたいため,技を固定されない条件下で,一番の火力が出すことが出来る命の珠を持たせています。上記の記事で,気合の襷型を激しくディスっていますが,この構築のような戦い方では,気合の襷型は論外という話で,レックウザ以外の3体で相手のHPを削ったり,技や特性で相手の単体性能を低下させて,中盤から終盤にかけてレックウザを繰り出して無双したり,隣のポケモンの技を通しやすくするプレイングをするのなら,気合の襷型は非常に当てはまると考えます。

 また,ゲンガーと同様に,メガシンカせずに動かす場合があるので,メガシンカ前の火力や耐久を頭に入れておく必要がありました。

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マニューラ@気合の襷 性格:陽気 特性:プレッシャー

努力値:0-252-4-x-0-252 実数値:145-172-86-x-105-194

技:叩き落とす 氷柱落とし フェイント 猫騙

 

 特性または持ち物無考慮で最速で猫騙しを覚え,隣のレックウザとの相性が抜群なポケモン。拘りスカーフ持って奇襲をかけてくるゼルネアスや霊獣ランドロス,カイオーガ(このポケモン藍色の珠を持たせていなければ,十中八九,拘りスカーフ持ちですが・・・)等を特性のプレッシャーで持ち物を判別し,相手の思うような展開にさせることを回避出来る点もこのポケモンの強みです。

 また,メガガルーラと違い,メガシンカ枠を消費せず,さらに,KPがやや低めなことから同速勝負が発生しにくく,上から安定したプレイングをすることが出来る点も優秀です。

 猫騙しとフェイントの2択の押し付けは単純に強過ぎました。

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ナットレイ@食べ残し 性格:勇敢 特性:鉄のトゲ

努力値:252-148-0-x-108-0 実数値:181-146-151-x-150-22 (S0個体)

技:ジャイロボール パワーウィップ 宿り木の種 守る

 

 Aに上昇補正をかけることで,ダメージの入りが見違える程変化し,仮にゼルネアスゲンシカイオーガに耐えられてもマニューラのフェイントやメガレックウザの神速圏内に入るので,余計な択を減らすことが出来ました。

 また,環境で役割が持てるLv.50で最遅のポケモンなので,交代による天候の奪取に絶対に成功することも優秀でした。

 

基本選出1

先発

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後発

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基本選出2

先発

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後発

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 基本選出2は,グラードン+ゼルネアス構築,基本選出1はそれ以外に選出する場合が多いですが,BO3で1戦目または2戦目で相手の情報を引き出すことが出来れば,BO3の2戦目以降は,上記の限りではないです。

 

8.最後に

 この構築は,バトルロードグロリア2016本選で使用する予定でしたが,自分の実力の無さから予選を抜けることが出来なかったので,結論に至った構築では,たいした結果を残せないまま,公開という形になりました。

 自分だけでは,この構築の結論に絶対にたどり着くことが出来なかったので,対戦して下さった方や大会を開いて下さった方,アドバイスや感想を下さった方,全ての人に感謝しています。ありがとうございました。

 内容を公開している関係で,自分以外でこの構築を使う人はいないと思いますが,「この構築にはどうしていたのだろう?」等を知りたい人,記事を見て分からないことや疑問に思ったことがあれば,自分のTwitter(@keima1212ab)にリプを下さい。

 

 ここまで見て下さってありがとうございました。